給与のデジタルマネー支払解禁!?

2021年11月17日 カテゴリー: コラム

スマホ決済アプリなどの普及が進み、多くの方がデジタルマネーを利用しているものと思います。

給与の支払にもデジタルマネーを利用できるように現在厚生労働省の労働政策審議会において審議が行われており、

解禁も視野に入れて議論が進められているようです。

 

 

1.現在の給与支払いの原則

労働基準法では賃金の支払について次の5つの原則が定められています。(労働基準法第24条)

 

①通貨払いの原則(通貨=お札や硬貨での支払、現物支給×)

②直接払いの原則(労働者本人への支払、代理人への支払×)

③全額払いの原則

④毎月1回以上払いの原則(2か月に1回や1か月半に1回などは×)

⑤一定期日払いの原則(締日支払日を設定する必要)

 

2.通貨払いの原則とは

上記労働基準法に定められている通貨払いの原則とはどんなものでしょうか。

 

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない

と労働基準法に記載されている通り、通貨=お札や硬貨での支払なので原則的には現金支給となります。

例外的に企業と労働者間の同意がある場合は、労働者が指定する金融機関の口座への振込が可能となっており、

当たり前となっている銀行振込での給与支払いは法律上は例外なのです。

(例外的に労働協約で別段の定めを行っている場合は現物支給も認められます)

 ⇒ 銀行振込だけでなく、デジタルマネーの口座への振込も例外的に認められるようになる可能性あり!

  (デジタルマネーサービスを提供する資金移動業者を通じた支払も例外処理に追加される)

 

3.具体的には?

資金移動業者が発行するプリペイド式の給与振り込み用カード【ペイロールカード】の導入が想定されているようで、

企業はペイロールカード宛てに給与の振込を行うことになります。

従業員はペイロールカードをpaypayやLINEペイなどキャッシュレス決済事業者のサービスと

連携をさせておき、キャッシュレス決済サービスを介して給与を受け取ることができるようになります。

(ATMで現金の引き出しも可能のよう)

米国では既にこのペイロールカードが普及しています。

 

4.メリット&デメリット

 

【労働者側】

 メリット:自分の生活スタイルに合わせて受取の選択肢が増える、

      銀行口座がない外国人労働者の受取手段となる

 デメリット:※資金移動業者が倒産した場合の資金保全

※債務履行が困難となった場合の保証や不正取引への対応などが現在議論されている。

【企業側】

 メリット:給与振込の際の振込手数料が軽減される可能性がある

 デメリット:選択肢が増えることによって事務作業が増える可能性がある

 

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