暗号資産(仮想通貨)の基礎知識~税務編~

2022年6月29日 カテゴリー: コラム

最近は落ち着いて来た暗号資産(仮想通貨)ですが、「とりあえず買ってみた」という方もいらっしゃるかと思います!意外と知らない気を付けなければならいない注意点もありますのでご参考までにご覧ください!

★所得税法と法人税法共通の取り扱い

【暗号資産の取得価格】
例) 10月2日 2BTCを2,000,000円で購入した。購入時に手数料550円(消費税等込)を支払った。
※通常、販売所からの購入する支払手数料は取引量に応じて支払い(以降同様)。

購入対価2,000,000円に支払手数料550円を加算した金額

【暗号資産の取得価格】
①購入時に支払った対価の額
②贈与又は遺贈の時の価額(時価)
③ 上記以外の場合 その取得時点の価額(時価)
※上記以外とは暗号資産同士の交換、マイニングにより取得した場合など。
※消費税法では暗号資産の譲渡は支払手段等の譲渡に該当するため非課税。交換業者に支払う仲介料などは課税。

【暗号資産の売却】
例) 4月2日 4,000,000 円で4BTC を購入し、4月 20 日 0.2BTC を 210,000 円で売却した。(売買手数料については考慮していない)

個人:総平均法 法人:移動平均法 ※届出書の提出により変更可

暗号資産同士の交換】

例) 4月2日 4,000,000 円で4BTC を購入し、 11 月2日40XRP(1XRP=30,000円) を購入する際の決済に1BTC を支払った。

考え方は「暗号資産の取得価格」と同じ

★所得税の取り扱い

【所得の総収入金額の収入すべき時期】

原則として売却等をした暗号資産の引渡しがあった日の属する年分となる。 ただし、選択により、その暗号資産の売却等に関する契約をした日の属する年分とすることも出来る。

【所得区分】

原則雑所得                                 

※取引の収入によって生計を立てていることが明らかな場合は事業所得になるかも。

【取得価額や販売価額が分からない場合】

① 国内の暗号資産交換業者を通じた暗号資産取引⇒「年間取引報告書」を確認

② 上記①以外の暗号資産取引(国外の暗号資産交換業者・個人間取引)

⇒銀行口座の入出金から取引価額を確認。

 主として利用する取引相場を利用(申告後に金額が判明した場合は、修正or更正)

 ※売却した暗号資産の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められる。

【低額・無償で譲渡した場合】

例) 4月9日に450,000円で1BTCを購入し、5月20日に450,000円で1BTC を売却した。なお、売却時における交換レートは1BTC=1,000,000円であった。 

雑所得の計算上、総収入金額は 700,000 円(時価の70%相当額)として計算するので、所得金額を250,000 円として申告が必要になる。

※時価の70%相当未満(著しい低い価額)と対価の価額の差額が雑所得に該当する。

★法人税の取り扱い

【譲渡損益の計上時期】

暗号資産の売却等に係る契約をした日(約定日)の属する事業年度に計上する。

 【暗号資産の期末時価評価】

活発な市場がある場合は時価評価する。

ポイント!

「買っただけで取引してないから大丈夫」は危険!!

※評価損益を計上した場合は、翌事業年度で洗替処理する。

【信用取引の譲渡損益の計上時期】

① 暗号資産の売付けをし、その後にその暗号資産と種類を同じくする暗号資産の買付けをして決済するもの……その決済に係る買付けの契約をした日 

② 暗号資産の買付けをし、その後にその暗号資産と種類を同じくする暗号資産の売付けをして決済するもの……その決済に係る売付けの契約をした日

※期末時点で決済されていないものがあるときは、期末に決済されたものとみなして、利益or損失の額相当をその事業年度の益金or損金の額に算入する。

★その他の取り扱い

【財産債務調書への記載の要否】

 国内外の暗号資産取引所に暗号資産を保有している場合、暗号資産は財産債務調書への記載の対象になる。 

 暗号資産は、財産の区分のうち、「その他の財産」に該当するので、財産債務調書には、暗号資産の種類別(ビットコイン等)、用途別及び所在別に記載する。

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