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~控除対象外消費税~
2022年8月1日 カテゴリー: コラム
今回は控除対象外消費税についてお話ししたいと思います!
1.控除対象外消費税とは
【前提】
・税抜経理を採用してる
・課税売上高が5億円超
又は
・課税売上割合が95%未満の事業者
【取り扱い】
仕入税額控除が一部制限され、控除できない消費税が生じる
⇒この控除できない消費税をいう
2.消費税法上の居住用賃貸建物に係る控除対象外消費税
居住用賃貸建物を購入した場合には、仕入税額控除が適用できなくなった(令和2年度改正)
⇒従って、これらの建物に係る課税仕入等の消費税額は、「控除対象外消費税額」に該当し、法人税法上の繰延消費税が生じる
3.繰延消費税等とは
控除対象外消費税について
・消費税法⇒仕入税額控除不可
・法人税、所得税法⇒支払った年度に全額損金に算入(勘定科目:租税公課)
例外的に、法人税、所得税上も支払時に一括損金にできないものもある
⇒繰延消費税等
※交際費に係る控除対象外消費税等については、交際費として集計し、交際費の損金不算入額の計算に算入する
⇒交際費の損金不算入額がでてくる可能性がある
4.繰延消費税の概要
【取り扱い】
資産として繰り延べて一定期間で損金処理を行う
【処理を行うケース】
次の2要件を満たすもの
①課税売上割合が80%未満
②一の棚卸資産以外の資産(固定資産など)に係る「控除対象外消費税等」の発生額が20万以上
5.繰延消費税の損金算入限度額
・発生事業年度
繰延消費税額等×当期の月数/60×1/2
・翌事業年度以降
繰延消費税額等×当期の月数/60
※初年度のみ1/2する
なお、資産に係る控除対象外消費税額等を、繰延消費税として別建処理を行わず、その資産の取得価額に算入して減価償却を行う会計処理も認められている
6.決算時の処理
・消費税相殺仕訳
仮受消費税等 20,000/仮払消費税等 8,000
長期前払費用 2,000 未払消費税等15,200
租税公課 1,200
・繰延消費税等償却
租税公課 200/長期前払費用 200
7.申告時の留意点
・資産にかかる消費税の繰延消費税の処理を行う場合
⇒「資産にかかる控除対象外消費税等の損金算入に関する明細書」(別表16-10)が必要
・税抜経理で、簡易課税を選択しており、かつ控除対象外消費税が発生する場合
⇒繰延消費税の会計処理が必要(①、②のいずれかの方法で計算)
① 原則計算を適用している場合と同様の計算をする方法(課税売上割合を用いる)
② 仮払消費税の残額に対して、資産にかかる仮払消費税の割合で按分計算する方法