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リサイクル預託金の会計処理
2022年11月30日 カテゴリー: コラム
今回は、リサイクル預託金の会計処理についてお話ししたいと思います!
1.リサイクル預託金とは?
2005年に施行された「自動車リサイクル法」に基づき義務付けられた、車の廃棄費用の負担金のことをいいます。
新車は購入時に、中古車は購入時または購入後の車検時に支払い、証明として「リサイクル券」が発行されます。
売却時には所有者へ還付され、最終的に車を廃車処分する者がリサイクル預託金を支払うこととなります。
現在では、毎年約350万台もの車が廃車になっています。最終処分場の減少やカーエアコンなどで使用するフロンガスによる地球環境への影響などで車の廃棄が問題となっており、廃棄にかかる費用も膨らんでいます。こうしたことを背景に、車のリサイクルのしくみとして2005年に「自動車リサイクル法」が施行されました。
「自動車リサイクル法」では、車の製造業者や関連業者には環境に配慮した適正な処理が義務付けられ、一方、車の所有者には廃棄処理による環境への負荷の低減として、廃棄費用の負担が義務付けられました。この負担金がリサイクル預託金ということです。
リサイクル券(預託証明書)はリサイクル預託金を支払ったことを証明する重要な書面です。車を売却する際や廃車する際に必ず必要になるので、車検証などと一緒に大切に保管する必要があります。
2.リサイクル預託金の料金は?
金額は車両タイプによって異なります。
一般的な普通乗用車で1万円~1万8,000円程度。(経済産業省HPより)
※自動車リサイクル法の対象外となる車両
・被けん引車
・二輪車(原動機付自転車、側車付きのものも含む)
・大型特殊自動車、小型特殊自動車
・その他農業機械、林業機械、スノーモービルなど
3.会計処理について
勘定科目は内容によってこちらの通りとなり、車両購入時の請求書等から読み取ることができます。
勘定科目 | 内容 |
リサイクル預託金又は長期前払費用 | ・シュレッダーダスト費用 ・エアバッグ類料金 ・フロン類料金 ・情報管理料 |
支払手数料(課税) | ・資金管理料 |
【仕訳イメージ】
借方 | 貸方 |
車両 ¥5,000,000 | 現金 ¥5,020,000 |
リサイクル預託金 ¥20,000 |
4.消費税の区分
リサイクル預託金は車の購入時、売却時、廃車時によって会計処理の仕方も違ってきます。
①車両購入時
新車や中古車を購入したときに支払ったリサイクル預託金は(財)自動車リサイクル促進センターに委託したものとなるため、この時点での消費税は不課税となります。
②車両売却時
自動車を廃車にする前に売却した場合、リサイクル券も一緒に譲渡することになるため、「金銭債権の譲渡」となり消費税は「非課税売上」となります。
なお、課税売上割合の計算上、リサイクル預託金の譲渡金額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額の合計額(課税売上割合の分母)に参入します。
反対に、中古車を販売する業者が車両を仕入れた場合は「非課税仕入」となります。
なお、「仕入」で処理するということは、在庫車の棚卸しを行う際には、棚卸額に含める必要がありますので、ご注意下さい。
③廃車にした場合
「リサイクル」というサービスを受けたことになるので、リサイクル預託金(資産)を費用処理します。勘定科目は支払手数料等を利用します。
消費税区分は「課税仕入」となり、サービスを受けた時点の税率が適用されます。
このように、同じリサイクル預託金でも扱い方によって消費税区分が異なるため、取引の内容を的確に把握することが大切であるといえます。