個人事業主の法人化(法人成り)について

2018年2月12日 カテゴリー: コラム タグ:

個人事業主として開業されている方は、将来的に法人化(法人成り)を検討される方も多いでしょう。では法人と個人事業主で何が異なるのでしょうか。主なものについて説明します。

①所得税と法人税の税率の違い
・所得税について
個人事業主は、個人で事業をしている方であり、売上から経費を引いた所得について所得税が課税されます。
所得税は累進課税となっており、所得が多くなれば税率も高くなり、納める所得税も多くなります。所得によりますが5〜45%の税率になります。

・法人税について
一方の法人の場合、売上から経費を引いた利益について法人税が課税されます。
法人税の税率はほぼ一律であり、所得800万円以下については15%、所得800万以上については25%となります。

規模を大きくしたい、売上を大きくしたい、利益を出したいといった場合は法人化を視野に入れると良いかもしれません。

②交際費の扱いの違い、その他
交際費は、取引先や関係各所との取引等を関係維持、構築をするための会議飲食代や贈答品にかかる費用です。

個人事業主の場合は、経費計上できる交際費の額に上限はなく、業務上関連性のあるもの、必要なものであれば、取引先等との会議飲食代などの費用全額を経費とし、所得から控除出来ます。
法人の場合は、会議飲食代のみ、その50%を費用計上することが可能です。中小企業は800万円まで全額を費用計上出来ます。

③その他のメリット・デメリット
上記以外にもいろいろなメリット・デメリットがありますので、主なものをレン巨しました。
・法人化のメリットについて
・取引先や金融機関等から信用力が高まる
・事業主の給与に給与所得控除が適用される
・決算月を自由に設定出来る。

・法人化のデメリットについて
・設立時に費用がかかり、手続きも煩雑
・決算や各種届などが必要となり、会社の継続に費用や手間がかかる
・赤字の場合でも、納税が必要

事業内容や事業規模によって、メリット、デメリットが違いますが、メリットとデメリットを正しく認識、把握することにより、どちらが有利かを選べるようにしましょう。

 

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公認会計士・税理士 野口 五丈(のぐち・いつたけ)
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