① 概要 最近クラウド会計についての問い合わせが多く寄せられています。 2013年後半から…
当社が支出する費用の取扱い~交際費、福利厚生費~
2020年9月29日 カテゴリー: コラム
みなさん、こんにちは!
今回は従業員に対する費用について
社内交際費として取り扱うのか、それとも福利厚生費として取り扱うのか・・・
派生の論点として、どのような場合に従業員の給与課税がされてしまうのかを以下に記載致しましたので
ご覧いただければと思います!
突然ですが、、、税理士試験でこんな問題が出題されました。
第69回税理士試験 法人税法
Q. 当社は、得意先を旅行へ招待するため、その得意先に対する売上割戻しの一部を預かり金として積み立てている。当期において、積立額が旅行代金相当額 500,000円に達したことから得意先を旅行に招待し、その積立額から旅行に要する費用400,000円を支出した。 なお、日程の都合上、旅行に参加できなかった得意先に対しては、その積立額 100,000円を 金銭で支出した。
この場合の500,000円は交際費に該当するのかという問題でした。
結論
500,000円全て交際費該当します!
理由
以下の①、②、③に該当すれば交際費に該当するからです。
①相手
事業関係者等(仕入先、得意先)に対するものであること
②行為
接待等(接待、贈答、供応)の行為に該当するものであること
③目的
親睦を密にして、取引関係の円滑な進行を図る。
→①~③フィルターを通して、交際費に該当するかどうかを見極めます!
つまり、支払手段などは関係ないということです。
それでは、本題に移りますね。
第69回税理士試験では得意先に対する旅行費用でしたが、当社の社員に対する慰安旅行の場合はどうでしょう。
福利厚生費?給与課税?
また事例を上げさせていただきます。
事例
Q.当社は社員の慰安旅行を次の要領で実施したいと考えています。
会社負担分の費用は全額福利厚生費として処理しても良いか。
①旅行先 ハワイ
②旅行期間 4泊5日
③費用負担 一人あたり18万円(会社負担分10万円、社員負担分8万円)
④社員の参加割合 90%程度の予定
この場合の会社負担分は福利厚生費?給与課税?
結論:会社負担分8万円は福利厚生費として全額損金となり、従業員に対する課税問題は生じないです!
所得税法における収入金額とは?
金銭のほか、金銭以外の物又は権利その他の経済的利益も含まれる。
つまり、経済的利益を受けた場合には給与と同様に課税の対象になる。
今回の事例では、なぜ経済的利益を受けたと言えないか?
以下の考え方に基づいて、慰安旅行は福利厚生費として取り扱います。
①会社行事は、半ば強制的で従業員が経済的利益を自由に処分できない。
②会社行事によって得られる経済的利益は少額である場合が多い。
③慰安旅行等を行うことは一般化されており、給与課税することは酷な面もある。
→という理由です。
非常に曖昧ですよね・・・?
ただ①について現行では通達基準あります!
所得税法基本通達36-30
次のいずれの要件も満たしている場合には、原則として課税しなくて差し支えないものとする。
(1) 当該旅行に要する期間が4泊5日(目的地が海外の場合には、目的地における滞在日数による。)以内のものであること。
(2) 当該旅行に参加する従業員等の数が全従業員等(工場、支店等で行う場合には、当該工場、支店等の従業員等)の50%以上であること。
上記規定の成り立ち
上記の規定(所得税法基本通達36-30)は以下の流れで変化しています。(2020年9月29日現在)
昭和61年12月 「2泊3日以内」
平成元年3月 「3泊4日以内」
平成5年5月~ 「4泊5日以内」
(2)の「使用者の費用負担割合が50%以上であること」が削除
結論としては、社会通念で判断すべきである!です。
結局曖昧に終わってしまってすみません・・・
注意
確実に給与課税されるものを上げさせていただきます!
自己都合により不参加者に対して、旅行等の参加の代わりに、金銭を支給する場合には、不参加者のみならず、
参加者に対しても、その金銭の額に相当する給与の支給があったものとして課税されます。
これだけはかならず最初に確認すべき事項です!
最後に
今回は社内交際費と福利厚生費の違いについて記載させて頂きました!
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では。Have a nice day.