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~給与と外注について~
2022年5月23日 カテゴリー: コラム
1.給与と外注の判断基準
・雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価
⇒給与(給与所得)
・請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価
⇒外注費(事業所得)
※ただし、区分が明らかではないときは、独立性、従属性などの諸項目を勘案する
2.雇用契約、請負契約の民法上の区分
・雇用契約・・・当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる契約のこと
・請負契約・・・当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約のこと
3.給与と外注費の判定基準
◎5つの判定基準
1⃣他人が代替して業務遂行が認められるか
2⃣作業時間を指定される・報酬が時間を単位として計算されるか
3⃣委託者の指揮監督を受けるか
4⃣引き渡していない完成品が不可抗力のために消滅した場合でも、権利として報酬の請求をできるか
5⃣材料や用具の供与を受けているか
4.給与と外注費の取り扱いの相違点
①源泉所得税
・給与の場合
⇒給与支給の際、源泉所得税が徴収される
・外注の場合
⇒原則不要
※ただし、所得税法に規定する源泉徴収が必要であると列挙された報酬料金等のときは、源泉所得税の徴収が必要(原稿料、デザイン報酬など)
②所得税の年税額の精算
・給与の場合
⇒支払者が年末調整の際に還付や不足額の徴収を行い精算する
・外注の場合
⇒支払いを受けた者が自分で確定申告を行う
③社会保険
・給与の場合
⇒給与は社会保険の対象となるため、事業主と被保険者はそれぞれ社会保険料を負担する
・外注の場合
⇒社会保険の被保険者にはならないため、事業主に社会保険料の負担義務はない
④消費税
・給与の場合
⇒不課税取引となり、仕入税額控除ができない
・外注の場合
⇒課税仕入れとなるため、仕入税額控除ができる
5.外注を給与と認定されないために
・5つの判断基準の内容を含んだ請負契約書を作成すること
・受託者(作業者)に請求書を発行してもらう
※ただし、あくまで形式的なことなので、実態がどうか慎重に判断して処理する必要がある!