① 概要 最近クラウド会計についての問い合わせが多く寄せられています。 2013年後半から…
業務に必要な感染対策費用の支給
2021年11月28日 カテゴリー: コラム
国内でのコロナ感染が落ち着いてきましたが、世界では新変異ウィルスが流行してきており、まだまだ油断が出来ない状況です。
会社でコロナ関連の支出が生じた場合、会社の経費になるのか、大事なことは何か、業務に必要は感染症対策に要した費用の取り扱いについて見ていきましょう!
■原則的な考え方と例外
【原則】
所得税法上,給料・賞与のような金銭の支給以外に、会社が従業員等に行う経済的利益の供与も,原則は給与として課税されます( 所得税法28条 )。
【例外】
その経済的利益の供与が従業員等の業務を遂行する上で必要なものなど一定の要件を満たせば給与課税されません。
■経費と認められる具体例
【テレワークに必要な備品の購入】
①従業員からその費用に係る領収証等の提出を受ける。
②①の費用を実費精算することにより従業員に対して支給する。
[Point]
ただし、備品の所有権が会社にあることが前提です!!
【マスクや消毒液等の消耗品の購入】
①従業員からその費用に係る領収証等の提出を受ける。
②①の費用を実費精算することにより従業員に対して支給する。
[Point]
業務外で使用するものや従業員の家族に支給するものは認められません!!
【感染が疑われる場合のホテル等の利用料等】
①職場以外の場所で勤務することを企業が認めている場合のその勤務に係る通常必要な利用料
②①に伴う交通費など業務に必要な費用
[Point]
授業員の勝手な判断で宿泊した場合や通常必要でないものは認められません!!
【PCR検査費用や室内消毒の委託費用】
①企業の業務命令により受けたPCR検査費用やテレワークに関連して業務スペースを消毒する必要がある場合
②①の費用を実費精算することにより従業員に対して支給する。
[Point]
従業員の自己の判断により受けたPCR検査費用や消毒の費用など業務のために通常必要ではない費用は認められません!しかし、企業が積極的に従業員のPCR検査代を補てんする場合は給与課税の対象とはならないと思われます。
■会社の負担範囲を明確にしておくことが大事
法人税法上は、原則として、消耗品費や旅費交通費、場合によっては給与として損金に算入されます。
所得税法上は、業務に通常必要なものであるか否かにより課税関係が異なってきます。そのため、会社は「業務に通常必要なもの=会社として感染対策費を負担する範囲」等を明確にし、従業員に周知させることが重要です!