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損害賠償金の取扱い ~消費税と法人税~
2020年9月29日 カテゴリー: コラム
みなさん、こんにちは!
今回のテーマは損害賠償金の取扱いです!
全ての取扱いについて触れていくと大変なので、今回は法人税と消費税に絞って確認していきますね。
まずは消費税から!
消費税の取扱い
そもそも損害賠償金の場合、消費税はどのような時に課税されるのか。
資産の譲渡等…資産の譲渡、貸付、役務の提供があるのか、ないのか。
→サービスをあれば課税の対象、なければ対象外
そのため、損害賠償金は・・・
原則:課税の対象外!
だが、実質的に資産の譲渡等が行われているときは対象になります。
実質的とは何か。事例を見て確認していきましょう。
損害賠償金の事例
賃貸人は、賃料の支払が不安定な賃借人に対して、
契約書の期間満了前に解約を申し入れたところ、賃借人は満了日をもって退去することに同意した。
しかし、賃借人は転居費用の捻出が難しく明け渡しが遅れてしまった。(満了日後においても退去していない。)
賃貸人は賃借人に賃料の2倍額相当を損害賠償金として請求しました。
この場合の賃貸人と賃借人における損害賠償金の取扱いとは?
結論
課税の対象となります!
理由
賃借人は契約満了日後においても賃借してしまっているため
賃貸人よりサービス(貸付)を受けていると考えられる。
そのため、賃料の2倍相当額であっても
全額、課税の対象として処理される。
そのため、損害賠償金がある場合には、資産の譲渡等の有無を見よう!
法人税の取扱い
最終的に全額、益金、損金に算入される!
ただし、それぞれの者において
「いつ」「いくら」益金、損金算入されるかが重要です!
そのため、法人税は時点に絞って確認していきます。
事例(益金の取扱い)
まず初めに損害賠償金をもらう方(請求した側)を取り上げます。
B㈱がA㈱に対して損害賠償金を請求しているとします。
【内容】
①前々期、A㈱に対して2500万円の損害賠償金を請求
②前期、判決が確定し、A㈱に対して損害賠償金1600万円の支払いが命じられる。(支払額確定)
③当期において、A㈱が実際にB㈱1600万円の支払をする。
このとき、B㈱はいつ、いくら益金算入するのか。
益金算入時期
原則:
支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度
例外:
ただ、相手(A㈱)の資力によっては支払が履行されない可能性もあるため
実際に支払を受けた日に収益計上している場合にはこれも認められる。
そのため、今回の事例については
原則で処理するのであれば、②の時点。
例外で処理するのであれば、③の時点。
どちらでも問題はありませんが、例外の方が保守的なのかもしれません。
事例(損金の取扱い)
【内容】
B㈱がA㈱に対して損害賠償金を請求
①前々期、B㈱がA㈱に対して2500万円の損害賠償金を請求
②前期、A㈱はB㈱に対して500万円しか支払わないと主張している。
(そのため500万円を未払経理している。)
③当期においてはまだ裁判の判決が下っていない。
このとき、A㈱はいつ、いくら損金算入するのか。
損金算入時期
損害賠償金として支払う金額は最終的に裁判で決定されるが…
原則:支払うべき金額が確定した日の属する事業年度
例外:相手方に申し出た金額があるときは、その部分に対しては
双方に争いはないため未払経理した日の属する事業年度
そのため、今回の事例については
原則で処理するのであれば、金額が確定していないため損金経理はできません。
例外で処理するのであれば、②の時点で500万円を損金に落とすことが可能です。
どちらでも処理方法に問題はありませんが、原則の方が保守的であると考えられえます。
まとめ
消費税:原則は課税対象外
取引から資産の譲渡等が行われている場合には課税の対象になる場合あり。
法人税:いつ、いくら算入されるかに注目する。
原則 | 例外 | |
受取側 | 確定時 | 実際に支払を受けた日 |
支払側 | 確定時 | 部分的に確定した日 (未払経理) |
最後に
今回は、ざっくりと損害賠償金について取り上げさせていただきました。まとめると上記の表になります!
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